川口市では10月から子ども医療費無料化制度に支給制限が加えられました。税金等を完納していない家庭の子どもと、一定以上の所得がある家庭の子どもは医療費助成の対象外となります。詳しくは市のホームページでご確認いただくか、わたし木岡にお問い合わせください。
※1 税金等とは・・・市民税、固定資産税、都市計画税、国民健康保険税、軽自動車税、市立幼稚園保育料、学童保育量、保育所保育料、学校給食費の9項目
※2 滞納分について支払う意思を示し、分割納付をしている状況の家庭も「税等を完納していない家庭」と認定されるため、子ども医療費の支給制限が加えられます。子ども医療費無料化制度は、親の経済状況に左右されることなく子どもたちが安心して医療を受けることができ、健康を保持・増進できるようにする施策であるべきです。こうした制度趣旨を考えると、全ての子どもを対象として医療費を助成していくべきです。
特に、保護者が税金等を払えない事態となり滞納している世帯の子どもから医療費無料化制度を奪うやり方は、経済的困窮家庭をさらに追い込むことになり、社会政策として間違っていると考え、10月の制度運用の開始前に撤回するよう求めてきました。
しかし、残念ながら昨日から支給制限が導入されてしまいました。
この支給制限に関する記事が、昨日(10月1日)付の読売新聞埼玉版に掲載されておりました。
記事の中で、立正大学の田澤あけみ教授が次のように指摘しています。引用します。
「医療費が無料の子どもとそうでない子供とでは、長期的に健康に差が出てくる可能性がある。親の問題を子どもに連鎖させるべきではなく、滞納については別の対策で対応すべき」
以下は、わたし木岡が市長に訴えてきたことです。
〜“税金を払えるのに払わない”ことと“払えない状況にある”ことを同一に扱うべきではありません!〜そもそも税金を払えるのに払わない家庭は論外ですし、そうした家庭の納税義務者に何らかのペナルティーが科せられることは当然であると思います。しかし、税金等を払いたくとも払えなくなっている家庭の子どもの多くは、すでにその時点で色々な辛い想いをせざるを得ない状況にあります。学校でなにかしらの集金がある時に、持っていくお金がないので、学校で「忘れました」と言うしかない子どもや、体操着も運動靴も新しいモノになかなかできない家庭の子どもに、「あなたの保護者は税金等を完納していないから、他の子とは違い、病院に行っても医療費を無料にしてあげないよ」と今後の川口市では言うことになります。そんな理不尽で冷徹な行政施策を行うべきではありません。
経済的困難を抱えた世帯の子どもにこそ医療費無料化は必要なはずです。限りある財源ですから、1円たりとも無駄には使えません。だからこそ、税金が払えるのに払えないケースと払えなくなっていて行政の支援が必要なケースをしっかりと区別して、必要なご家庭には必要な支援を積極的にすべきです。区別なく支給制限をかけることは、困難な家庭環境にある子どもをさらに追い詰めることにもつながります。
〜予算総額の0.0002%を削るために、現在の子ども医療費無償化制度の対象者の約20%にあたる約8,800人もの子どもが医療費無償化制度の対象から外れます〜現在、子ども医療費の対象となっている市内の子どもは約4万3千人ですが、所得制限で約4,000人、税等の完納要件によって約4,800人もの子どもたちが子ども医療費の対象から除外されることになります。二つの制限でおよそ2割もの子どもたちから医療費無料化制度を奪うことになります。そこで減額できる財政支出は、およそ8千万円〜9千万円となると見込んでいます。この額が安いと言うつもりはありませんが、およそ3,500億円もの財政規模を誇る本市が削らなければならない予算は、ここではないはずです。
仮に川口市の財政規模を年収350万円とすると、年間の節約額は800円〜900円です。子どもの医療費を犠牲にしてまで節約する額ではないと思います。
しかも、200億円以上の貴重な税金を使って市役所本庁舎の建替えを進めようとしている一方で、子どもたちの健康のための数千万円の予算をケチるなんて間違っていると思います。皆さんのご意見も是非お聞かせください。
posted by 木岡たかし at 00:17|
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