2023年10月07日

埼玉県が日本一子育てしにくい街になる!?

 子どもだけで留守番や外出をさせることは「放置」にあたり、虐待として禁じる埼玉県虐待禁止条例の改正案(小学3年生以下の子どもを放置しないことを保護者など成人の「養護者」に義務付け、4〜6年生については努力義務とする)が10月6日、埼玉県議会福祉保健医療委員会で審議され、提案した自民党と公明党の議員が賛成し可決されました。
※本会議での議決は10月13日を予定。ここで可決されると成立してしまう。

 報道によれば、議論となっている条例案の主な内容は以下のようになります。
@ 小学校3年生までの子どもを自宅・その他の場所(車内等)に残したままでの保護者の外出を禁止する。
A 小学校6年生までも、同じ内容の努力義務を課す。
B 同条例の禁止行為の通報を埼玉県民に義務付ける。

 この条例が適用されるとどうなるのか。埼玉県では、どういった時に児童虐待とされるのかについて、埼玉県議会での質疑において以下のような具体的ケースが、提案者の自民党から示されています。
【条例で禁止されている行為の例】
@ 小学生だけで公園で遊びに行く
A 児童が一人でお使いに行く
B 不登校の子どもが日中家にいる状態で、親が買い出しや仕事に行く
C 兄の習い事の送迎時に、弟が昼寝をしていたので起こさず外出する
D ゴミ捨てにいくため留守番させる
E 小学校1年生から3年生だけで登下校する
F 18歳未満の子と小学校3年生以下の子が一緒に留守番をする
G 車などにどんなに短時間であっても残していく

 これらを見て唖然としました。全部守ることができますか?できている子育て世帯がどれほどありますか?残念ながら、我が家もすぐに通報されることとなるでしょう。

 この条例案が成立すれば、子どもたちだけが公園で遊んでいた場合、見かけた県民は通報しなければならなくなります。住民によって監視され、通報され、子どもたちが公園で遊べなくなる埼玉県になっていいのでしょうか。
 また、子どもが近所のお店に1人で行っても通報されます。
 子どもを残して近所のゴミ捨て場に行っても通報されます。
 登下校もすべて保護者らが見守れる訳がありません。保護者に仕事を辞めろと言いたいのでしょうか。
 そして不登校の子どもたちの親は、事実上の外出禁止令となってしまいます。子どもが不登校で引きこもっていたら、仕事にも買い物にも行けなくなるのですから!こんな非現実的なことよくもまあ考え付いたなと呆れてしまいます。

 そしてもう一つの大きな問題は、県民に禁止行為の通報を義務付けることです。
 近所の方などが、上記の禁止行為を見かけたら、この条例に基づいて、子育て世帯を通報しないといけなくなります。社会で子育て世帯を監視し、警察や児相に通報する社会になるのです。そんな子育てが息苦しい埼玉県になってしまっていいのでしょうか。
 子育ては、悪いことですか?これこそ『子育て罰』になってしまいます。
 未来の宝である子どもたちを優しく見守る社会であるべきです。

【いま必要なことは】
◎そんなに子どもを一人にするなと言うのであれば、気軽に使える無料の子育て支援のシッター制度を埼玉県は作るべきです。
◎子どもだけで公園で遊ぶなと言うのであれば、街の治安を守るための警察などのパトロールを強化したり、防犯巡視員を雇い各公園に配置すべきです。
◎子どもだけの登下校を禁止するなら、埼玉県が予算を割いて登下校時の付き添い制度を作るべきです。また、放課後の子ども居場所をもっともっと作るべきです。
◎不登校や引きこもりに関する対策については、不足が指摘されている人員と予算を大幅に増やすべきです。などなど

 本来、行政(今回で言えば埼玉県)が取り組まなければならない施策を実施しないままで、責任を保護者らに押し付ける今回の条例改正案は許せません。

 そもそも、共働きをしなければ家計が維持できないような厳しい労働環境とひどい経済状況は、自公政権の政策の結果です。こうした状況を作っておきながら、子どもから一瞬でも目を離すなと保護者らに求める条例を、自民党と公明党が作ろうとしていることに憤りを感じます。

 自民党と公明党の県議会議員は、馬鹿なのか?アホなのか?それとも本当に実態を知らないのか?
 いずれにしても共働きがスタンダードとなっている現代において、子育て世帯、特にシングル家庭の苦労や実態、不登校の子どもの居る家庭の苦労など知らん顔、一切無視といった感じですね。こんなことを本当にしたら、特にシングル家庭では日常生活が成り立たなくなってしまいます。

 もちろん昨今問題となっている車への置き去り死を防ぐことは重要です。しかし、この条例案の対象は広すぎて、ゴミ捨ても禁止、小学生だけの登下校も禁止となると、共働きが当たり前になっている我が国では無理があります。
 これを発案した自民党・公明党のおっさん政治家たちは、子育てなどしたことないのでしょうね。頭の中は、いまだに専業主婦が子育てを一手に担う昭和モデルから一歩も前に進めていないのだと思います。

昭和のおっさん政治ここに極まれり!!!
 一つの結論 ⇒ 自民党と公明党の議員に投票してはならないと言うことです。

 10月6日に福祉保健医療委員会で可決した今回の条例案は、10月13日の埼玉県議会本会議において可決されなければ成立はしません。もし成立してしまったら来年4月からこの条例は適用されます。そうなれば埼玉県は全国で最も子育てしづらい街になります。
そんな埼玉県で子育てしたいですか?
 そうしないためには、世論しか頼みはありません。埼玉県議会では93人の県議の内、自民党と公明党の県議で67人が占められているため、このままであれば可決成立してしまいます。それは勘弁してほしいと思われた方は、是非行動してほしいのです!
 じゃあどうするか、あなたの近所の自民党と公明党の議員らに、強行採決するなと呼びかけてください。電話でもメールでもFAXでも良いと思います。
posted by 木岡たかし at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 子育て関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月13日

川口市“10万円給付”は全額現金の方針に!

 本日(12月13日)、川口市子ども部より、いわゆる“10万円給付”について、10万円全額を現金で支給する方針であると説明がありました。現時点での“10万円給付”の改善点と問題点を検証したいと思います。
 ちなみに、わたし木岡も所属する会派「川口新風会」として、12月10日(金)に“10万円給付”について以下の2点の要望を川口市に伝えていました。
1, 迅速性を重視して、全額現金での支給をすること
2, 子育て世帯の支援という目的を達成するため、所得制限なく支給すること

@ 全額現金で給付すべき
〜クーポンは経費(税金)の無駄遣いでしかない〜

当初、“10万円給付”について、半額の5万円を来年クーポンで配布する方針を国が示しておりましたが、967億円もの多額の経費が掛かるため多くの批判が寄せられていました。そうした批判を受けて、本日(12月13日)の衆議院予算委員会において、岸田首相が自治体の判断で全額を年内に現金で給付しても良いとの方針を示しました。全額現金給付が認められた事は良かったのですが、自治体の判断ではなく、原則現金給付とすべきだと思います。
同時に、政府の方針転換を受けて川口市が、10万円全額を現金で支給する方針を示したことは一歩前進だと考えております。

A 給付は1回で実施すべき
〜給付を2回に分ければ経費も約2倍〜

本日、川口市は全額現金の方針を示しましたが、同時に、年内に全額の10万円給付ではなく、5万円ずつ2回に分けて給付する方針が示されました。2回に分けるとやっぱり経費は、ほぼ2倍。ただ、こうなった一番の原因は、政府の方針が2回に分けることを基本としていること、また、年内の給付を実現するには、自治体の準備が追い付かないほど政府の判断が遅かったことです。
政府の姿勢が定まらないために、各自治体は右往左往させられ、市民もヤキモキさせられる結果となっています。政府は迅速に方針を示すべきです。

B 給付対象者への所得制限をやめるべき
〜子育て支援ならすべての子どもに支給すべき〜

これまで給付対象者に所得制限を加えることについても多くの疑問が示されてきましたが、残念ながら現時点でも所得制限の撤廃方針は示されていません。
そもそも今回の給付事業の正式名称は『子育て世帯等臨時特別支援事業』です。本当に事業の目的が子育て世帯の支援であるのならば、全ての子どもを対象とすべきではないでしょうか。しかも、夫が働き、妻は専業主婦が一般的であった時代に制度設計された古い古い児童手当の制度を使うため、ご存じの方も多いと思いますが、以下のような不合理が発生します。

例1) 夫の年収950万円+妻の年収950万円=世帯年収1,900万円 ⇒ 10万円支給
例2) 夫の年収980万円+妻の年収0円=世帯年収980万円 ⇒ 不支給

 結局政府は、多くの指摘がなされてもなお制度を変えませんでした。そもそも、児童手当制度も根本的に変更し、充実させるべきだということも改めて痛感しました。
 子育て支援は、保護者の経済的事情に左右されるのではなく、社会で子どもの育ちを支援するのだという原則に立ち返って実施すべきです。

 長くなってしまいましたが、今回の“10万円給付”にかかわって、改善要望している事項などのご報告でした。
posted by 木岡たかし at 20:42| Comment(0) | 子育て関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月27日

川口市の離乳食講習会の開催場所が増えます!!!

24日に行った本会議での質問で、離乳食講習会の開催場所を増やすことを提案しました。
以下が質疑の要旨です。

木岡・・・子育てにかかわる健康教室や健康相談は、保健センターを中心拠点にして毎月行われております。保健センターの保健師さんらが子育てに関する悩みや疑問に応える非常に有用な事業であると認識しております。
しかし、1歳6か月児歯科健診後に行う「かばさんの歯の教室」や、3〜5か月児が対象の「離乳食講習会」、1歳児が対象の「幼児食講習会」は、開催場所が保健センターのみとなっております。また、幼児相談は保健センターと鳩ヶ谷分室のみとなっております。

ですから離乳食講習会に戸塚地区や安行地区、神根地区などから参加しようと思うと、首が座ったか座らないかくらいの時期に電車とバスを乗り継いで保健センターまで行かなければならないのです。それが、どれだけ大変なことか想像していただきたいと思います。
そこで離乳食講習会を市内各所で実施できるように工夫をしてほしいのですが、いかがですか。

健康増進部長・・・離乳食講習会は生後3〜5か月児の保護者を対象に、保健センターを会場として実施しております。地域の公民館などを会場とした開催につきましては、施設での運営などの関係により、現在のところ保健センターのみで実施しております。しかしながら、受講希望者が多い教室ですので、より多くの方にご参加いただけますよう、保健センター以外の会場での実施につきましても、実施方法などを研究して参ります


何とも分かりずらい行政答弁ですが意訳すると「実施方法を研究した上で、保健センター以外の会場でも離乳食講習会を実施します」といったところだと思います。
この課題は、近所のお母さんからの声から質問をしました。声をお寄せいただいたお母さんにも感謝です。引き続き、他の講習会&相談の場についても取り上げていきます。
posted by 木岡たかし at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 子育て関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする