昨年9月に発生した入札不調によって、平成26年度中の工事着工ができなかったため川口市火葬施設のオープンは、当初予定していた平成29年4月から大幅に遅れることとなっています。
入札不調が起きた要因は、建設コストの著しい上昇にあったため、火葬施設の建設工事の延期を議会で提案しました。ご批判もあるかもしれませんが、財政難が深刻化する中ですから政治が勇気ある決断をすべきと考え、あえて3月市議会において質問しました。
以下は、その報告です。
@約24億円で建設するつもりが約34億円必要!? 川口市火葬施設の建設工事は、本年1月発行の市政レポート(木岡たかし公式ホームページでご覧になれます)でご報告したように、昨年9月に入札不調となりオープン予定(平成29年4月)が1年以上遅れる見通しとなっています。
市は、入札不調の原因として、東日本大震災の復興需要や東京オリンピックに伴う建築需要の増大による建築資材価格と労務価格の著しい上昇を挙げ、市が平成26年度当初に予定していた本体工事費用の24億5,100万円では入札する事業者がいなかったためとしております。
その後の建設常任委員会での私の質問に対して、入札辞退をした事業者から聞き取りをした結果、10億円程度の建設コストアップが必要との回答を受けたことが明らかになりました。ということは約34億円もかかるということに・・・。
必要以上に建設コストが高騰している今、無理してすぐに建設しないという選択もあるのではないでしょうか。
A差額10億円の重み 〜建築コストが落ち着くまで火葬施設の建設工事の延期を!〜 仮に、今回の話を家計に置き換えれば、当初2,450万円で建築するつもりが、実際は3,450万円かかることになった訳です。多くの家庭では建築計画自体を再検討するのではないでしょうか。しかし、3月市議会における市の答弁は、「市民の皆様が建設を待ち望んでいる(中略)このことから工事の延期は行わず、できる限り経費節減をしながら早期完成を目指す」とのことでした。
現在、建設コストが跳ね上がっている現状を考えれば、一番の経費節減策は工事の延期だと思います。
また、私も多くの方から火葬施設のオープンについて聞かれることもあり、火葬施設が待ち望まれている施設であることは理解しています。川口市に潤沢な財源があれば話は簡単ですが、財政難を理由に多くの事業が進められない現実を前にして、10億円程度のコストアップが必要になるかもしれない状況で、再検討することもなく突き進むことが良いのでしょうか。
もしも10億円あったら、川口市において多くの市民サービスが実現できます。
B建設コストは今がピーク!? 建設業界では、オリンピック需要は2018年(平成30年)には落ち着くとの見方もあります。また、資材価格はすでにピークを迎えたとの観測もあります。いずれも不確定ではありますが、火葬施設の建設時期を2年〜3年先送りすれば建設コストが今より下がる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
社会情勢が変化しても、一度決まったら変更しない昔ながらの悪しき公共事業の名残のように見えます。
火葬施設の建設が悪いのではありません。建設時期が最悪なのだと思います。そうであるなら、政治は冷静かつシビアに本市の財政状況を踏まえて、勇気を持って建設時期の延期を検討すべきだと考え、市議会で提案しております。
皆さんは、どうお考えになりますか。ご意見をお聞かせください。
※これまでの建設不況の時期にダンピング競争を強いられた建設業界ですから、今までが安すぎた側面も考慮しなければなりませんので、その点については引き続き注意していきます。
posted by 木岡たかし at 01:16|
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川口市火葬施設建設について
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