2023年07月10日

美術館建設費が明らかに!その額42億円!

美術館建設費が明らかに!その額42億円!
これからの川口市を考えた時に、多額の税金を投入して市立美術館を建設する必要が本当にあるのか。美術館建設よりも市民生活に密着した分野にこそ優先的に税金を使うべきだと何度も市議会で訴えてきました。しかし、建設費等のイニシャルコストすらまともに示されないまま、建設に向けた行政施策が着々と進められてきました。

市立美術館建設の5つの問題点

問題点その1、【ふくれあがる建設費】
市立美術館計画が出た当初、確定した数字ではありませんが、再開発手法を利用して20億円程度で建設するとの話が出ておりました。その後、建設費を示さないまま進められてきた美術館建設計画の実施設計の発注段階になって初めて建設費が42億円と示されました。
しかもこの42億円ですら、今後さらに増額となる危険性がある数字です。

問題点その2、【美術館の維持・管理費は不明のまま】
さらに、建設後のランニングコストはいまだに不明だということです。
美術館と言うのは、作って終わりではありません。美術品の展示・維持・管理、イベント企画、集客など、当然に多額のランニングコストが必要になります。
現在、市立美術館計画の基本設計が完成し、床面積や展示エリア、配置する人員(10人)まで決まっています。ですから、想定のランニングコストの試算は出せるにもかかわらず、市側は、出せるのに出したくないから、ランニングコストは分からないと答弁しています。
市立美術館計画の詳細を市民に知られないように知られないようにするこの姿勢が問題だと思います。

問題点その3、【競争原理の働かない事実上の随意契約について】
実施設計時にECI方式(工事や設計業務等を発注する際に採用される発注方式の一つ)を初めて採用するのですが、このECI方式とは、実際の施工時の手間が省けるなどのメリットがある一方で、設計業者と施工業者が手を握ってしまえば、建築コストが言い値になって高額になる危険性があることが最大のデメリットとなります。競争原理の働かない事実上の随意契約となるので当然です。
市側は、競争原理の働かない随意契約のデメリットをクリアして適正価格での契約を実現するためとして、コンストラクションマネジメントを採用すると説明しますが、その費用にさらに5,500万円もかかるのです。
そもそも適正価格での工事契約が、チェックしないと危ぶまれるようなECI方式を採用すること自体が問題です。ECI方式では、建築事業者の選定過程を不透明化してしまい不正の余地を広げることとなります。

問題点その4、【心配な建築工法】
美術館建設基本設計によれば、市立美術館はリリアの西側にある川口駅西口駐車場をそのままにして、その上に美術館を建設するとのことでありますが、非常に心配です。
通常建築をするときには、上に乗る建物の重さを考えて基礎構造を決めます。費用をかけて必要以上の基礎構造とすることは基本的にありません。西口駐車場の基礎だって、現在の西口駐車場の重さを考慮して基礎構造が決められているはずです。その基礎の補強もないまま、いくら駐車場の上の土をどけると言っても、4,300uもの広さの鉄骨造の美術館を建設して大丈夫なのでしょうか。そこで市側には、どける土の重量と、新たに建築する美術館の重量はいくらを見込んでいるのか尋ねました。
市側の答弁・・・「川口駅西口地下公共駐車場の構造計算書における設計荷重として、土盛り荷重約1万5,000トンが見込まれており、新たに建設する美術館は、この荷重を上回らない建物を予定している」
引き続きのチェックが必要です。

問題点その5、【市民からの意見聴取を拒否】
市立美術館建設の是非を市民に問う時、単純に「美術館があった良いと思いますか」と聞いたら、多くの方が、「美術館があった方がよい」と回答すると思います。私もそうです。
しかし、建築費やその後の管理・運営コストを考慮した時の市民の意見は、前提条件が変わる訳ですから、市民意識も当然に変わるのではと考えております。であるならば、建築費などのイニシャルコストのみならず、完成後の維持・管理のためのランニングコストも示した上で、美術館建設そのものの是非も含めて市民の意見聴取を行うべきだと考えます。
ですから質疑において、市立美術館にかかわるすべての費用を公開した上で、市民からの意見聴取をすべきと求めました。
しかし市側の答弁は、「2度にわたってパブリックコメントを実施し、市民の皆様からご意見を伺いましたことから、改めて意見聴取の機会を設ける予定はございません」と、これ以上は市民から意見聴取しないとの回答でした。

 とんでもないです。2度パブコメをしたと言いますが、その時点では建設費も維持・管理費もいっさい明らかにしていません。そうしたタイミングで、たった2回パブリックコメントをしたので、もう市民のご意見は聞きませんと言う答弁です。そんな川口市の姿勢が問題なのです。引き続き、建設費や維持管理費が明らかになった時点で市民の意見を聞くように、市側に求めていきます。
posted by 木岡たかし at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 市立美術館計画について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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