川口市内の高齢者向けのワクチン接種には、大きく分けて2つの方法があります。
一つは、市内の公共施設等で実施する『集団接種』
もう一つは、ワクチン接種を実施している市内の各医療機関での『個別接種』になります。
川口市内では、5月11日から高齢者向けの接種が開始しており、同時に、市内の高齢者施設などにおいてもワクチン接種が始まっております。
まず予約についてです。
予約は受付当初から現在に至るまで、電話等がつながりにくく、市に多くの苦情が寄せられている状況です。当たり前です。川口市内の約14万人いらっしゃる65歳以上の市民に、一斉にワクチン接種の案内を送ってしまったのですから、予約の申し込みが殺到することは当然です。
他の自治体のように年齢で区切って段階的に案内をするとか、川口市が接種日や会場まで指定した案内を送って、都合のつかない方だけ連絡をしてもらう方法などを採用して、混乱回避に努めるべきでした。ちなみにお隣のさいたま市は、年齢で区切って最初は85歳以上の方だけ案内をし、その後、段階的に案内をする方法を採用しました。それでも多少の混乱はあったようですが、何の対策も取らないよりは混乱の程度は抑えられたと思います。
さらに川口市で問題なことは、集団接種の申し込み用の電話回線が14万人いる高齢者に対して40回線しかなく(5月30日から50回線の増える予定)、個別接種をしてくれている各医療機関でも多くのところがWEBのみの予約受付となっていることです。
スマホを持っていない、持っていてもネットなどは使わない高齢者も少なからずいらっしゃいます。私のところにも『WEB予約なんてできないし、電話してもずっとつながらない』といった声が届いています。特に高齢者向けにはWEB予約以外の予約方法を早急に整備すべきです。
例えば、各支所や公民館にワクチン予約のサポートセンターを設けるとか、集団接種の予約電話の回線数を抜本的に増やすなど実施すべきです。
今週(5月24日〜)から川口市には、相当数のワクチンが市に届いており、集団接種、個別接種いずれも接種件数を増やせるだけのワクチン在庫はあります。あとは予約を取りやすくしていくことと、人の手配を進めて接種可能回数を増やすことが求められます。
そうした中で本日、市が今後の高齢者向けワクチン接種計画を発表しました。概要は、市内の高齢者約14万人の内、65%に2回接種するとして、
14万人×0.65×2回=18万2,000回を6月中に達成するとのことでした。
そのために、主に以下の事項をすると発表しました。
@ 国が設定した接種委託費に川口市独自で上乗せ協力金(1回2,000円)を支給すること
A 個別接種を実施する医療機関が予約システムの構築や改修に要した費用などへの補助金を支給すること
B 6月及び7月に月1,000回以上の接種を行った医療機関に対して、当該医療機関の職員に対する特別手当等の原資を補助すること
C 集団接種会場に派遣される医師に対する協力金の増額
ワクチン接種の迅速化を進めるために、これらの取り組みを実施することは、非常に前向きな取り組みとなります。
ただ、市民の方から寄せられる声から、より良い結果を出すために改善が必要だと考える点が何点かあるため、わたし木岡としては以下の事項を提案しました。同時にこれまで保健部、ワクチン対策室との対話の中で提案してきた事項と合わせてご報告します。
【木岡から市への提案と要望】
@ WEB以外の予約方法の拡充を
上記した通り、WEBで予約してくださいと言われても環境もなければやったこともない高齢者は多くいます。こうした方々の立場に立った予約方法を整備するべきです。
例えば、高齢者向けに各支所や公民館にワクチン予約のサポートセンターを設けるとか、集団接種の予約電話の回線数を抜本的に増やす必要があります。
A 2回目のワクチン予約の徹底
2回目のワクチンを適切な時期に接種できるように徹底することが求められています。
現在市内で接種しているファイザー社製のワクチンは、1回目の摂取から3週間後に2回目の接種を受けることを推奨しています。(※5週〜6週間隔があいても問題ないとされています)ですから2回目の接種予約が適切な時期に出来るのかについて不安を抱えている方も多くいます。この市民の不安を払しょくする市の取り組みが必要です。
現在、個別接種を実施している各医療機関では、1回目の予約と同時もしくは1回目の摂取時に2回目の予約を受け付けているところが多くあるとの事でした。しかし、市が行っている集団接種会場では、1回目の摂取後に2回目の予約の案内チラシを配布しているだけで、予約のサポートまでは実施できていません。また、予約するにしても自分で再度WEB予約しなければならないため、2回目の適切な時期を逸してしまうのではないかと不安になる方がいる訳です。
やはり市として、集団接種会場において丁寧に2回目の案内をして、予約までサポートする体制を構築すべきです。
B 個別接種をしてくれる市内医療機関の拡充
各医療機関にそれぞれの事情があるため、新型コロナワクチンの接種を担えるかは、当然に各医療機関の判断であります。そうした諸々に苦労の上で実施をされている医療機関には頭が下がります。一方、現時点でワクチン接種が急を要する現実を考慮すれば、市内の各医療機関に市として頭を下げて、ワクチン接種をしていただける医療機関を増やす更なる努力をすべき時です。
C 集団接種会場の分散化を
本日発表された市の今後のワクチン接種計画では、市が行う集団接種の会場を6月13日までは下記の市内5会場で実施しますが、6月14日以降は川口駅前のそごう跡地の1か所のみとしてしまうことになっております。この点については、見直しを強く要求しました。
川口市内は結構広いです。川口駅は市域の最南部にあります。例えば私の住む東川口などの戸塚地区や安行、神根地区などの市北東部地域から川口駅まで行くのは一苦労です。高齢者となればなおさらです。人員不足からそごう跡地1か所に集約するとの説明を市はしていますが、これでは市北東部の高齢者、住民をないがしろにしていると言わざるを得ません。
6月14日まで少ないですが時間はあります。人的資源の確保を早急に進めて市北東部の住民が行きやすい場所にも集団接種会場を設けるべきです。
6月13日までの集団接種会場の5会場
I. 地域保健センター(川口市南町1−9−20)
II. 生涯学習プラザ(川口市上青木西1−2−25)
III. 東スポーツセンター(川口市東領家2−27−1)
IV. 戸塚スポーツセンター(川口市戸塚南3−22−1)
V. 芝市民ホール(川口市芝6247)
6月14日以降の集団接種会場は1会場のみ
I. 川口駅前のそごう跡地
D ワクチンを無駄にしないため、個別接種を実施している各医療機関にキャンセル発生時の対応について最大限の裁量を持たせるべき
国ではワクチン担当大臣が、廃棄などワクチンを無駄にするくらいなら接種券がなくとも接種できる人に接種するように発言しています。しかし現在の川口市は、ワクチン接種を担ってくれている各医療機関に対して、キャンセル発生時の扱いについて何らの助言もしていないとの事でした。ですから、現場ではキャンセル発生時に接種券のない人に接種していいのか迷ったり、不安になるケースも発生しかねません。
川口市として、事前に各医療機関にキャンセルが出た時の対応について、大きな裁量を与えて、接種券が無い場合などでも接種して良いとの案内を出すべきだと提案しました。こういう時こそ、川口市がワクチン接種を最前線で担ってくれている各医療機関の不安などを解消して支えとなるべきです。
E ワクチンを無駄にしないため、集団接種会場でのキャンセル等への対応について
市が実施している集団接種会場で発生したキャンセルについても、1本も無駄にしない対策を求めました。直前でのキャンセルのみならず、会場での問診によって接種を見合わせるケールもあるため、空いた枠で誰に打てるのかを事前に明確化しておくことは非常に重要です。
現在市は、集団接種会場でキャンセルが出た場合、現場にいる救急隊員に接種しています。これ自体は良いことですが、そもそも救急隊員は医療従事者のカテゴリーに属していますし、すでに5月18日時点で30件以上のキャンセルが発生していることを考えると、救急隊員への接種も早晩終わると思います。
その後のキャンセル分を、他の方に接種することについて、5月19日時点で市は結論が出ていないとの事でしたが、学校の先生や保育士などに接種する方向で検討している旨の回答でしたので、早急に対象者や順序を取りまとめて現場に徹底して、ワクチンを無駄にしないよう要望しました。
F 基礎疾患を持っている方への接種に関する市の方針を示すこと
国では厚生労働省が基礎疾患をお持ちの方の類型を示しておりますが、細かく規定されていないので現場では混乱が生じる可能性があります。一方で行政として各個人の基礎疾患の有無などは把握できないため、行政から接種券を送ることは基本的に無理です。
そのため基本的には、かかりつけ医から基礎疾患のある方にワクチン接種の勧奨をしてもらうか、個人が各医療機関で基礎疾患の申告をして、当該医療機関で優先摂取の必要性を判断していただき、接種してもらうしか方法は無いと考えております。(※他に良い方法があれば是非ご連絡ください)
この時に大事となることは、もともと接種券を配布できない基礎疾患の方々については、各医療機関が自らの判断で基礎疾患のある方に、優先接種を行えることをアナウンスしておくべきです。そうすれば、医療機関として迷いなく基礎疾患をお持ちの方にワクチン接種が出来ると思います。
G 多数接種のための医療従事者のさらなる確保を
国では、ワクチンの打ち手に看護師に加えて歯科医師がなれるようになっています。さらに薬剤師に補助業務を依頼することや、救急救命士や臨床検査技師にも打ち手になってもらう案が検討されています。
こうした動きに迅速に呼応して、国のゴーサインが出次第すぐに川口市でも関係団体などにご協力いただけるように、今からコンタクトを取っておくべきだと要望しました。
以上のような提案と要望をしましたが、まだまだ改善の余地はあると思います。市民の皆さんもお気づきの点など是非教えてください。どうぞ宜しくお願い致します。